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zoom RSS ニュータウン計画と現状 多摩のこれから その4

<<   作成日時 : 2006/03/07 05:33   >>

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前回説明したとおり、土地とは公共的な性格を持っている。だから都市計画法などによって、法律による土地利用のコントロールが行なわれている。だが現実には、公共的な土地利用を実現するのは簡単ではない。前々回に見た近隣住民との摩擦を起こしている大型マンション建設に見られるように、最近はそのコントロールが弱まっていると言えるわけである。

現在、多摩センター駅近くの非常に立地の良い場所にも、次々と大型マンションが建築されている。

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2005年1月21日 筆者撮影 奥に見えるのはベネッセビル

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2006年1月22日 筆者撮影 別角度から、建設が進んだ様子

ニュータウン内の一等地ともいえるこれらの広大な土地がなぜ今まで使われてこなかったのか、疑問に思う方も多いのではないか。このことを多摩ニュータウンの開発当初に遡って考えてみよう。

ニュータウン内で大規模開発が行われた地域は、1963年施行の新住宅市街地開発法という特殊な法律に基づいて買収、開発された土地である。これは単に住宅地だけを作るのではなく、丘を切り開いて一から街を作り上げる目的で作られた、いわばニュータウン開発のための法律である。道路や鉄道、上下水道などインフラ全般を含めた都市環境を作り上げるという、きわめて公共性の高い目的によって大規模に開発される地域にのみ適応されたのだ。『多摩ニュータウンタイムズ』で何度も主張されているが、多摩ニュータウンは先祖代々土地とともに生きてきた農家の人々が、このような公共的な目的のために手放した土地の上に成り立っている(例えば、「多摩ニュータウン30年を検証」Hなど)。

多摩ニュータウンは多摩市、稲城市、八王子市(旧由木村)、町田市の四つの行政区域にまたがっている。ニュータウン内で発生する同一の課題に対して各市の連係がうまくいかないとまずいという観点から、ニュータウン計画の早い時期には、ニュータウン地域での市町村合併を行うことが考えられていた。その行政の中核地として考えられたのが多摩センター地域なのである(『多摩ニュータウンタイムズ』第760号舌筆など参照のこと)。そして多摩センター駅前の一等地が、その市庁舎など公共施設の建設用地として考えられていたのである。だからこそ、公共的な見地から利用されずに取っておかれたわけだ。しかし、そうした合併は行なわれなかった。合併がベストの選択だったかどうかは別として、そうした問題がほとんどまともに議論すらされなかったということが、当初の見通しの甘さを物語っていたのではないか。そして一等地の空地だけが残った。そして都市機構はその土地を売り払い、大型マンションが建った。

「官から民へ」、「無駄をなくす」という掛け声によって今まで規制に守られてきた土地に企業が入り込んで開発するということは、公的組織(都市機構)が関与することで辛うじて住民のコントロールが担保されてきた領域を、市民が手放すということに他ならない。市場原理をコントロールしうるのは一部の消費者である。しかしマンションの場合その「一部」とはマンション購入者に他ならず、そこに長年住んできた市民ではありえない。こうした「市場原理」の利用は、市が対策を取らない限り土地の公共性を無視した開発となる可能性が極めて高い。

マンションがいくつも建つ現状は、多摩ニュータウンに余っている土地が今のところ「魅力的」であることを示している。だがこの計画都市において、その魅力を作り上げてきたのは、財投などの力を借りた公的機関の力と、そして何より住民の力である。このように公的に形成された「資産価値」に成り立つ地域に建つマンションはその恩恵を得ているわけであり、その意味でも土地の「公共性」は強い意味を持つ。

私は全くマンションが必要ないなどと言うつもりはない。新規の住民、特に若い世代が入ってくることはこの街にとってプラスである。しかし実際には住宅は足りている。こうまで矢継ぎ早に大量のマンション供給がなされることに諸手を挙げて賛成はできない。人口減少が確実に進む現状で下手に開発を進めると、街の魅力そのものを落としかねないからである。もっと別の利用方法を考える必要がある。(これに関してはいずれ具体的に書く予定である)

多摩ニュータウンの「新市」の行政の中核を担うはずであった区域に民間のマンションが建っている現在だからこそ、ニュータウン計画の見通しの甘さ、実行段階におけるミス、柔軟性を欠いていた部分などの検証がなされなければならない。なぜなら、大規模開発されたが故に、このニュータウンの都市構造は容易には変わらず、我々はこの街と付き合い続けなければならないからである。機構や行政に任せていては何も変わらない、市民の側が積極的に考えるべきことなのだろう。

この「多摩のこれから」シリーズ、何回か休むが近いうちに今回挙げた課題をもう少し具体的に考えたいと思う。

シリーズ 多摩のこれから
その1
その2 「官」のツケは住民が払う
その3 土地の公共性
その4
その5 市長選のあとに来るもの
その6 「声なき声」をひろえるか?

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