多摩市民「九条の会」

アクセスカウンタ

zoom RSS 「声なき声」をひろえるか? 多摩のこれから その6

<<   作成日時 : 2006/04/15 05:29   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

前回の続きで、市民が政治や市民運動に参加するために超えるべきギャップの問題を中心に考えていきたい。市民参加を増やしていくための課題は、市政も運動もそう変わらない。というよりは、地域で運動をやっている場合は特に、この二つは直接つながっていることがよく見える。アリバイとして形式的な参加を求めるだけならばともかく、市政が本格的に市民の意見を生かそうと思うならば、継続的な参加のできる人々をもっと増やしていく必要がある。人的ネットワークが弱いことはここではネックになる。残念ながら日本には(ごく小さな農村などでの濃い地縁組織のようなものは除けば)そうした市民参加を積極的にする文化があまり根付いていない。

60年代から70年代においては、(もちろん冷めていた「ノンポリ」の人々もたくさんいたが)安保反対やベトナム反戦などで市民が声を上げることが比較的普通のこととして社会に受け入れられていた。しかし、今の若い世代はほとんどそうしたことを知らないし、知っていたとしてもそうしたもののネガティブな部分だけしか知らされていない。そこに一部の「過激派」が存在したことは確かである。だが、60年の安保闘争などは、まさに市民が岸政権の強引な政治手法に対して挙げた「民主主義を守れ」という声の側面が(たとえば表題に利用した「声なき声の会」など)あるはずなのに、そうした評価は今では少ない。「平和ボケ」した人々の非現実主義的な反米闘争、などというような感じの評価を、『朝日新聞』の編集委員ともあろう人がしていたのを近年読んだ記憶がある(スクラップしておいたはずなので、見つけ次第正確な出典と引用をしたいと思う)。

話が少々ずれてしまったが、要は現在の日本において市民の政治参加とは、何か「トクベツ」で、最悪の場合には「危ない」人々の行うものかのように捉えられてしまう可能性がある。NPOなどではそんなことは無いかもしれないが、何らかの形で政治性が高い事項を扱うとなれば、こうした問題はいくらか出てくる気がする。この距離感をどう埋めるかという問題は、既に述べた様に決して簡単なことではない。

このブログでは、既に何回か多摩ニュータウンのことについて書いたことがある。ニュータウンについて書くときの参考として多摩ニュータウン学会の学会誌(『多摩ニュータウン研究』)などを読むことがあるが、それを読んでいて、先に述べた距離感と同じものを感じてしまうことがある。そこでは、積極的に参加している人の目線から市民参加への展望が述べられる。すると、参加していない人から見た参加への距離感の問題が、あまり重視されていないか、十分に捕らえられていないことに残念な思いをすることが多い。特に様々な形での参加を「善」として前提している人の立場から書くと、以前に比べれば市民参加の増えたニュータウンの状況をポジティブに捉えるあまり、そこに足を踏み入れることのできない人々の疎外感を強めてしまうような記述が見受けられる。

しかし現実には参加していない人々のほうが多数派であろうことは想像に難くない。少し専門的な話になるが、たとえば若林幹夫氏や内田隆三氏などの、社会学(都市社会学や現代社会論)の理論的なアプローチからニュータウンにおける「排除」という問題意識がほとんど理解されぬまま置き去りにされているような気がするのである。ある種「外野」から突き放して論じるような彼らのニュータウン論が全て正しいわけではないと思うが、しかし耳を傾けるべきことは多い。地域への疎外感は今やニュータウンに限った問題ではないが、都市構造の問題からこうしたことが早くから自覚されていたニュータウンでも、残念ながら「声なき声」を十分にひろえる状況にはまだ達していない。運動に関係している人々、そして市政に関係している人々(それは突き詰めれば市民全員のことに他ならないのだが)は、このことの重みをしっかりと考えるべきである。このことについては、いずれ別の場所でしっかりと論じたいと思う。

シリーズ 多摩のこれから
その1
その2 「官」のツケは住民が払う
その3 土地の公共性
その4 ニュータウン計画と現状
その5 市長選のあとに来るもの
その6 

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
農村系CSO
 行政の地域下部組織として、区長会、婦人会、青年団があります。これ等の組織は地縁組織として、行政と連携とり地域活性化を行うのが活動のひとつです。 しかし、現実は厳しく単なる行政の下請的なボランティアになっていたりします。また、青年団などは団員が激減して、 ...続きを見る
呼子CSOブログ
2009/07/13 12:21

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
「声なき声」をひろえるか? 多摩のこれから その6 多摩市民「九条の会」/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる