韓国併合を正当化する「洗練」された修正主義

NHKスペシャルにて毎月一回のペースで「プロジェクトJAPAN シリーズ日本と朝鮮半島」が放映されていますが、その一回目において、近年日本の歴史学者の少なからぬ部分で支持され始めている初代韓国統監(総督ではない)伊藤博文が韓国のためを思って(近代化を進めるために)の施政をしていて悪くなかったのだ、という説が大きく取り上げられました。

その説を展開している一人、伊藤之雄 (ゆきお) 京都大学教授 (日本近現代史)が『毎日』などでも自説を披露していることを、「マスコミ9条の会」のHPにて梅田正巳さんが批判しています、お時間ある方はご一読あれ。
http://www.masrescue9.jp/press/umeda/umeda.html#umeda

伊藤氏の議論は専門の歴史家がやっているだけあって、一次資料などを色々持ってきて、基本的にはつくる会的な修正主義よりも「洗練」された修正主義と言えます。

ただ基本線はなんということはない、元来1960年ごろにアメリカの民主党政権の世界経済に関するブレーンとして活躍した国際経済学者、ウォルト・ロストウに代表される「植民地近代化論」の枠組みを踏襲したもので、冷戦期の西側諸国におけるアメリカのアジア支配を正当化する理論と密接なつながりをもったスタンスに思われます。

もっともこれについては、日本の現在の学問及び運動が過去(50~60年代)の、反植民地主義運動などの知的遺産を引き継いでいないという知的怠慢に付け込まれているためでもあり、同時に日本社会における経済優先主義(近代化=経済発展=善という見方)の強さとも関連して、根深い問題であることは間違いありません。

時間があればそのうちまた詳しく取り上げたいと思います。

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